飛べない豚は、ただの豚

先週、サントリーミュージアムに「スタジオジブリ レイアウト展」を見に行ってきました。

そういえば、先日同期どうしでお喋りしていたときに、
「自分は何バカか」というのが話題に上ったことがありました。
今考えたら、私は「舞台裏バカ」かもしれません。


そんなことより「スタジオジブリ レイアウト展」です。

ジブリ好きにはたまらない、と、行ってきた知り合いから聞いた通り、
ジブリファンとしてはかなりドキドキする展示の数々でした。

レイアウトって、絵コンテの次の段階で、実際の画面を作るための設計図のようなもの、らしいですね。
その設計書を見て、一コマの画面を、背景とセル(人物など)に分かれてそれぞれ別の人が作るのだそうです。

その方面にはまったく詳しくないので、会場に書いてあった説明で、製作過程を知ったのですが。

展示内容は、これでもかと言わんばかりの大量のレイアウト。

時々レイアウト横に記してある番号に合わせてボタンを押すと、そのレイアウトを音声で解説してくれる機械とヘッドホンを借りて、約2時間かけて全部見て回りました。

レイアウトって言えば、新人研修の開発演習のときに、外部設計書を書くとき画面レイアウトを考えたりしてたなぁと思いながら眺めていたんですが、
そこにあるレイアウトは、もうただの設計図を超えてました。

そのまま動き出しそうな生き生きしたキャラクターの表情がまず印象的で、とても繊細で綺麗で、それこそ「作品」という感じでした。

そして、ちょこちょこ書いてある指示が細かい。
背景を1秒に何ミリ動かすとか、どう光を当てて写すとか。

一つのレイアウトをもとに、たくさんの人が色んなパーツを別々に作っていって、あとで合わせたときに寸分の狂いもないようにしないといけないんですから、走り書きのようなコメントもすごく重要な意味をもっています。

たくさんの人が協力して同じものを作るには、全員の意識統一が大切!ってことを開発演習のときにいやというほど学んだのですが、同時にその難しさも痛感していたところだったので、
製作工程の先の先まで見通して作られたレイアウトに、ほとんど感動を覚えてしまいました。

ここまで考えて、やっとあれだけのものが作れるのか!という。

緻密で繊細で地道で地味な舞台裏。

それがスタジオジブリの魅力かもしれません。